エアコンの構造を図解!以外と知らない冷暖房のしくみとは!

エアコン

~エアコン冷暖房のしくみを知って、もっと快適な運転を!~

エアコン

部屋の温度を夏に涼しく、冬は暖かくしてくれるエアコン

地球温暖化で年々真夏の温度も上がっている今、エアコンはまさに私たちの生命維持装置ともいえる欠かすことのできない家電です。

そんな身近なエアコンですが、意外とその仕組みを知っている人は少ないんです!
冷暖房をどのような構造で運転しているのか、気になりませんか??

☆エアコンの冷暖房ってどんな仕組みなの?
☆室外機の役割は?
☆冷媒ガスって何?
☆それぞれの部品の働きを教えて!

今回は、なるべく分かりやすく、図も使いながらエアコンの仕組みについて解説していきます!

身近な家電であるエアコンの構造を知れば、故障の時にもある程度対処できるかもしれません!

目次

"エアコン"の"しくみ"を知るのに重要な三つの知識

エアコンの知識

外気も暑いのにエアコンから涼しい風が出てくるのって不思議ですよね。

エアコンの冷暖房のしくみについて、順を追って解説していきましょう。

まずはエアコンの仕組みを知るのに重要な、三つの知識をご紹介します。

エアコンのしくみを知るのに重要な3つの知識
①液体と気体の性質について

②ヒートポンプ技術とは?
③冷媒ガスとは?

①液体と気体の性質

化学の授業で習った、液体と気体の性質を覚えていますか?
液体と気体の性質

・「気化熱」…液体⇒気体に変わる(蒸発する)とき、周りのものから熱を奪う性質がある
・「凝縮熱」…気体⇒液体に変わる(凝縮する)とき、周りに熱を放出する性質がある

気化熱とは、運動して汗をかいた時に風があたると涼しいと感じたり、夏に打ち水をすると涼しくなる現象と同じ仕組みです。

エアコンの冷暖房では、この気化熱と凝縮熱の性質を利用しているんです。

この性質を利用するために重要なのが、「ヒートポンプ」という技術です。

②ヒートポンプ技術とは

ヒートは熱、という意味なので、ヒートポンプは熱のポンプということになります。

ヒートポンプ技術

ヒートポンプ技術とは、冷媒ガスという物質を使って熱を運ぶ技術です。

冷房の時は、暖かくなっている部屋の熱を冷媒ガスに乗せて運び、室外に放出します。

ヒートポンプ技術は、最近では高効率な電気給湯器であるエコキュート等にも採用されています。

③冷媒ガスとは

ヒートポンプ技術に必要不可欠なのが“冷媒”と呼ばれるガスです。

ガスと言っても常に気体という訳ではなく、液体から気体、気体から液体になりやすい性質を持っています

この冷媒ガスに乗せて熱が運ばれ、膨張や圧縮を繰り返すことで部屋の温度を調整する、いわばエアコンの要ともいえる物質です。

昔はフロンガスと呼ばれるガスが使われていましたが、環境に悪いという問題から、現在では代替フロンというものが使われています。

冷媒には水や空気を使うことも理論上は可能ですが、膨張や圧縮に相当のエネルギーが必要になってしまい効率が悪いです。

簡単に気化/液化するフロンは、熱の移動が容易な最も効率の良い冷媒として今日まで採用されています。

冷房や暖房の効きが悪いと感じたら、この冷媒ガスが漏れてしまいガス欠を起こしている可能性があります。

業者に依頼してガスチャージをしてもらってください。

エアコンの冷暖房ってどんな仕組みなの?

エアコン

それでは、上記3つの知識を踏まえて、エアコンの冷暖房運転のしくみを、図を用いて説明していきましょう。

熱を運搬する役割のある冷媒ガスは、室内機と室外機を繋ぐ冷媒配管の中を循環します。

この熱を運ぶ際に使われる技術がヒートポンプ技術です。

〇冷房のしくみ

冷房の仕組みは、部屋の熱を室外に放出することで、部屋の温度を下げるというものです。

冷房
冷房のしくみ

~冷房のしくみ~
冷媒ガスが室外機の減圧器で膨張し、低温低圧の液体

冷媒ガスが室内機に移動し、熱交換器を冷やす

③室内機のファンに吸い込まれた室内の熱が、冷やされた熱交換器に奪われる

④熱を奪われ冷たくなった空気がファンから室内に放出される⇒ここで部屋が冷やされる

⑤部屋の熱を吸収した冷媒ガスは室外機に移動し、圧縮機で高温高圧の気体

⑥高温の冷媒ガスが、室外機の熱交換器でファンによって冷やされ液体に。熱は室外に放出される

⑦再度①へ繰り返し

〇暖房のしくみ

暖房の仕組みは、冷房とは逆回りに冷媒ガスが移動します。

室外の熱を室内に放出することで、部屋の温度を上げます。

暖房
暖房のしくみ

~暖房のしくみ~
①室外機から吸収した室外の熱を乗せた冷媒ガスが、圧縮機で高温高圧の気体

冷媒ガスが室内機に移動し、熱交換器を暖める

③熱交換器に吸収されたが、室内機のファンから室内に放出される⇒ここで部屋が暖められる

④熱を奪われ冷たくなった冷媒ガスは室外機に移動し、減圧器で低温低圧の液体

低温の冷媒ガスが室外機の熱交換器で、ファンから室外の熱を吸収し気体に。

⑥再度①へ繰り返し

このように、冷房も暖房も冷媒を通して熱を運び部屋の温度を調節しているんです。

☟冷房に関する記事はこちら☟

それぞれの部品の働きを教えて!

エアコンしくみ

室内機と室外機を含め様々な部品で構成されているエアコン。

各部品の役割について解説していきます!

〇室内機内の部品

熱交換器ファンから取り込んだ空気の熱を冷媒にうつして空気を冷やしたり、冷媒によって運ばれてきた熱を空気にうつして暖める。

ファン室内の空気を吸収したり排出したりする。

ルーバー左右方向の風向きを調節する。吹き出し口に取付けられている。

フラップ上下方向の風向きを調整する。吹き出し口に取付けられている。

フィルターゴミやホコリが室内機内に入らないようにする。吹き込み口に取り付けられている。

〇室外機内の部品

熱交換器ファンから取り込んだ空気の熱を冷媒にうつしたり、冷媒によって運ばれてきた熱を空気にうつす。

ファン室外の空気を吸収したり排出したりする。

圧縮機(コンプレッサー)…冷媒を圧縮する。

膨張弁冷媒を膨張させる。

このように、部屋を冷やしたり暖めたりするためには、各部品がそれぞれの役割を順に行っていくことが大切なんです。

☟エアコンの簡単メンテナンス方法はこちら☟

除湿ってどういうしくみ?

除湿

エアコンの冷暖房のしくみについては全容がつかめました!

ここで1つ疑問が生まれます。エアコンには「除湿」の機能があるけどどういうしくみなの?

除湿をすると、冷房程ではありませんが部屋の温度を下げ涼しく感じますよね。

これは一体どういうしくみなんでしょうか。

〇除湿のしくみ

空気中の水分は、温度が高い程多く溜めやすくなり、湿度が高くなる傾向があります。

夏に湿度が高くムシムシした空気になりやすいのはこのためです。

エアコンは冷房運転時に冷媒によって熱交換器を冷やして冷気を排出します。

その際、冷えている熱交換器には、吸収した室内の暖かい空気に含まれる水分温度差によって付着する現象、いわゆる結露が生じます。

この時発生した結露水はドレンホースから屋外に排出します。

このように、生じた結露水を排出し続けることで、湿度の低いさらさらな空気を室内に戻す室内の温度が下がる、というのが除湿機能のしくみです。

冷房が部屋の温度を冷やすことを目的としているのに対し、除湿部屋の湿度を下げることで過ごしやすくすることが目的の機能です。

エアコン水漏れの修理はライフパートナー